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福永武彦草稿 「煙塵」

著者名:
福永武彦
冊数:
132枚

ペン書 200字詰原稿用紙132枚完 *『忘却の河』の第二章にあたる。初出は『文学界』昭和38年8月号、欄外に「文学界八月号」のスタンプ有。*第一章「忘却の河」で主人公だった男の長女が、この小説の主人公・美佐子。主人公の交代もあって、物語の語り口も大きく変わる。母は寝たきりで、美佐子はその介護をしている。母の介護があるから自分は結婚できないと考えており、お見合い相手との結婚もそれを言い訳に断ってしまう。活動的な妹に比べて自分は死んだように生きていると自覚していて、母は妹を愛してるが、自分は母の看護婦に過ぎないと思いこみ、自分は本当に両親の子供なのだろうかと疑問を持つ。彼女の記憶にある幼少の頃に聞いた子守唄が、母の記憶と一致しない。その子守唄を歌い、自分に寄り添ってくれたのは誰だろう。母が知らない二つの子守唄に、自分のルーツを探ろうとする。美佐子は父から聞いた「ねえや」に会おうと山梨へ向かう。そこで美佐子は「ねえや」である初ちゃんと再会でき、初ちゃんは再会を喜んでくれた。そして疑問だった子守唄の一つ(「蝙蝠こっこ えんしょうこ〜」)を知ることが出来た。初ちゃんと別れる時、美佐子は彼女に香水を贈った。その香水は美佐子がひそかに思いを寄せている妻子持ちの美術評論家から贈られたものだった。美佐子はスモッグに覆われた東京へ帰る。疑問の一つが解決しても美佐子は宙ぶらりんなままだ。物語は「眼に見えぬ煙塵が彼女の心の上にしずかに降りそそいだ。」と締めくくられる。

No.
82006
価格:
750,000円